2020年8月26日水曜日

エンカウントの方法



『DolL』には、ランダムエンカウントとシンボルエンカウントの

二種類のエンカウント方法がある。


 当初想定していたのは、ドラクエのくちぶえのように、

スキルを使ってエンカウントする方法だ。

ダンジョンのどのフロアにいるかで登場する敵を変える。


さっそくコモンイベントをダウンロードして導入しようとしてみたが、

コードを眺めていてもどういう仕組みになっているか理解できない。

この記事を書いている今なら、それほど難しく考えなくても

スキルを使ってエンカウントするやり方は作れそうだが、

エンカウントの方法は初期の段階で作ったので、

当時の俺の技術力では断念せざるを得なかった。


こうした、技術力がないから別のイベント方式にするという方向転換は

この後にもたくさん出てくる。

大事だと思うのは、当初の想定に固執するのではなく、

その時に自分が書けそうなコードを書くということだ。

なんとか理想を実現しようとするのではなく、実現できそうな理想を描く。

このある意味でのいい加減さがなければ、作成は途中で頓挫していただろう。


ランダムエンカウントはサンプルゲームでも使われているし、

コモンも用意されているので、これを使うのは問題ない。

だがゲームのコンセプトである、ボーッとしながら戦闘を繰り返す、

を実現するのに、ランダムエンカウントでは苦痛である。

FCのドラクエをプレイしたことがあればわかると思うが、

レベルを上げるためにウロウロするのは面倒くさい。

俺は作業ゲーがしたいのであって、作業がしたいわけではない。

ゲームなのだから、効率化できる部分はひたすら効率化を追求すべきだ。

ウロウロするという行為は非効率である。


くちぶえが作れないなら、ということで思い出した。

そうだ、マーフィーズゴーストがあるじゃないか。

知らない人のために説明しておくと、マーフィーズゴーストとは

ウィザードリィシリーズに出てくる序盤の稼ぎモンスターだ。

ダンジョンの特定の部屋に入ると必ずエンカウントする。


つまり、話しかけると戦闘になるキャラクターを作ればいい。

それなら全然難しくない。

そこで困ったのが、敵を一種類しか出せないことだ。

本当はくちぶえのように、いろんな敵を出したかった。

当時は変数をランダムにする方法を知らなかったので、

ランダムエンカウントのコモンのようにデフォルトで三種類の敵を設定できる

みたいにしてくれないと敵が一種類しか出せないと思っていた。


一つのキャラクターに対して一種類の敵しか出せないのなら、

キャラクターを増やすしかない。

そうして生まれたのが、始まりの町にいる三体のシンボルモンスターだ。

市松模様の床でエンカウントする三種類のモンスターを、

それぞれ登場させるようにした。


このやり方は我ながらよかったと思う。

いちいちメニューを開いてスキルを使わなくていいし、

自分が欲しいアイテムを落とすモンスターを狙って狩ることができる。

結局かなり早期に作ったこの仕組みは、

ほとんど手を加えずに完成版でも使われることになった。

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